セーター伸び放題

●5：30寝8：45起。晴れ。出勤日なので弟もろとも教室に連れて行かれる。
●午前中は掃除。お昼は弁当。午後からは生徒募集チラシを三つ折りにする作業。三つ折りはふたつ折りや四つ折りに比べて技術を要求される。「ひとつ前に折ったものより美しく」をスローガンに折り続けたらだんだん精度が上がった。300枚くらいは軽く折ったつもりだが、業界では「3000枚ポスティングして、ひとり入ってくれれば御の字」といわれているらしい。300枚ではどうにもならない。折らなければよかった。
●ようやくお客さんが入り始めたのは15：00を過ぎてからだった。今日はあろうことか数学を見た。六年生の男の子たちが先走って中一の数学をやっている。何ページか終わるとなぜかこっちへ持ってくるから仕方なく採点したがなんのことだかさっぱりわからない。もっともらしい顔で丸つけをしながらも内心、世界中に謝りたい気持ちだった。
●仲良しの一年生の女の子は毎回、いやそうに顔をしかめて見せながら教室に入ってくる。悔しいからこっちも同じ顔をする。しばらくの間、いやそうな顔でにらみ合うのを常としている。勉強を始めると「わかんない」を連発して甘えてくる。私が他の子の席へ行こうとすると着ているものをつかんで引き止める。今日はやけにセーターを引っ張られたから「やめてくれ。元カノに編んでもらった大事なセーターなんだ」といったら弟が「知らんがな」と笑った。この子は母子家庭でお母さんの教育方針は厳しいと聞いている。よけいな気づかいとは知りながら父性に飢えているのかもしれないと思えばあまり邪険に扱うこともできず大事なセーターは伸び放題だ。
●バレーボール部所属のかわいい中学生が勉強し終えるのを待つ。この子が帰りがけに「にこっ」と笑うから私はここにきている。片づけて帰宅21：30。